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を預かることにしました。
校長先生に紹介されて初めてA子を見た時、表情に精気がなく暗い印象の子でした。
情緒的不安に陥っているA子の姿に、子を持つ親として心が痛みました。
不遇なA子を無関心で居れず、子どもの目は私に救いを求めているように思いました。
しばらく家の中を見廻し、「広い家ね」を発した一声。大勢の家族に驚き、夕食時の賑やかなお喋り、子供たちの笑い声すべてが珍しい光景に唖然として、箸を止めて皆んなの顔を見ていました。
そんなA子に、家族のふれ合いの中に、この子なりに存在感を味わえる場になってほしいと念じた夜でした。
一週間は駆け足で過ぎ、この頃には、家族にも慣れて、家事の手伝いをしてくれるようになりました。
「お姉ちゃん」と、子供たちの呼び声に笑顔で答え、少しずつ心を開きかけ子供と遊ぶ姿から暗い表情は消え楽しそうな笑い声に、やっとこの子にも、子供たちと遊びの

 

 

 

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